教会は、カトリック信者が先祖代々大切に守り伝えてきた祈りの場で、神の家でもあります。 祈りの雰囲気を損なうことなく、全ての拝観者に心安らぐひと時を感じていただけるよう、教会拝観時には、下記事項をお守りください。
大浦天主堂内の撮影はご遠慮ください。外観の撮影は可能です。
ただし拝観料をお支払いただく前に敷地内での撮影はご遠慮ください。
敷地内での飲食、飲酒、喫煙などは行わないでください。
また酒気を帯びての来訪はご遠慮ください。
祈りの雰囲気を損なわないよう、静かに拝観ください。
携帯電話のご使用はお控えください。
立入禁止エリア（柵内や祭壇域、２階の楽廊等）には入らないでください。
堂内の物に触れたり、動かしたり、持ち出したりしないでください。
敷地内も含めペットの同伴（介助犬は除く）はご遠慮ください。
大浦天主堂での信徒発見を記念して、フランスから贈られた聖母マリア像。
台座には「日本之聖母 慶長三年三月十七日 信徒発見記念」と記されています。
大浦天主堂はこれまで何度か増築・改修が行われてきましたが、この大扉は創建当時に設置されたものと伝わっています。
各パネルには浮き彫りで模様がほどこされています。
2016年4月26日、大浦天主堂は歴史的、芸術的、典礼・司牧的に重要な教会であることを意味する「小バジリカ（Basilica Minor）」の称号が与えられました。
洗礼式の際に用いる水を入れるための容器。
洗礼式は、未信徒が新たにキリスト教信徒となるために行われる重要な典礼（儀式）のひとつです。
聖フランシスコ・ザビエルは、日本にはじめてキリスト教を伝えた人物として知られています。
カトリック教会においては、日本の保護聖人のひとりとして選ばれているほか、カトリック布教の保護者として、多くの教会や宣教会から崇敬されています。
日本の再布教を担ったパリ外国宣教会の神父たちもまた、ザビエルの意思や情熱を受け継ぎ、布教に尽力していました。
聖母マリアの夫であり、イエスの養父である聖ヨセフは、全キリスト教徒の模範であるといわれ、全教会の保護者、労働者の保護者、孤児の保護者などさまざまな保護者となっています。
大浦天主堂内の像は、聖ヨセフと幼子イエスがお互いに顔を見合わせ、手を取る姿があらわされています。
また、純潔を意味する百合の花を聖ヨセフが手にし、幼子イエスもその枝を握っています。
イエスの聖心に対する崇敬は中世に始まっていますが、特に聖マルガリタ・マリア・アラコクが啓示をうけたことにより、17世紀にフランスを中心として広まりました。
1856年には、教皇ピウス9世によって、全世界でイエスの聖心を祝うことが定められています。
イエスが指し示す心臓は全人類に対する神の愛の象徴であり、聖心の崇敬はキリスト教の中心となっています。
教区の長である司教または大司教が、教区内の信徒を導き司式する際に着座するための椅子で、「カテドラ」といいます。
このカテドラがある教会をカテドラルや司教座聖堂、大聖堂と呼んでいます。
現在、長崎大司教区のカテドラルは浦上天主堂ですが、この司教座の存在は、かつて大浦天主堂がカテドラルであり信仰の中心であったことを伝えています。
プティジャン司教は大浦天主堂の創建に関わり、信徒発見の際に信仰告白を受けた人物です。
長崎を拠点として各地の布教や司牧に尽力し、1884年に大浦で亡くなりました。
大浦天主堂の下にはプティジャン司教が眠っており、普段は公開されていませんが墓碑の下あたりに墓石が確認されています。
1597年2月5日に長崎の西坂で殉教した26人を描いた油絵で、1869年、フランス人のセシル・マリー＝トーレルによる作品です。
大浦天主堂はこの日本二十六聖人殉教者に捧げられています。
博物館内にはこの絵の複製（縮小版）と、同作者の元和の殉教図も展示しています。
かつてのミサは、司祭も信徒と同じく教会奥の祭壇を向くかたちで、ラテン語を用いて行われていました（トリエント・ミサ）。
大浦天主堂奥の大祭壇は、この様式でのミサに用いられていたものです。
1962年から行われた第2バチカン公会議の決定により、現在のような司祭と信徒の対面形式に変更され、各国それぞれの言葉が用いられるようになりました。
大祭壇の中央、奥には「十字架上のキリスト」をあらわしたステンドグラスが設置されています。
当初は、天主堂の建立を記念してマン市のカルメル会修道院から寄贈されたものが用いられていましたが、原爆によって大破しています。
現在のステンドグラスはパリのロジェ商会に新たに発注したものが設置されています。
創建時の大浦天主堂の姿は現在と異なり、バラ窓と呼ばれるステンドグラスが正面に取り付けられていました。
1875年の増築の際、バラ窓は天主堂奥右側の小聖堂に移動されたと考えられ、そのおかげで原爆の被害を免れました。
禁教下、密かに教えを守り続けた潜伏キリシタンたちは、プティジャン神父に信仰を明かした際、「サンタマリアのご像はどこ？」と尋ねたと伝えられています。
プティジャン神父が彼らを案内したのがこの聖母子像の前でした。
このエピソードから「信徒発見のマリア像」とも呼ばれています。
マリア観音像やアベマリアの祈りなど、潜伏キリシタンの信仰を支えた大きな要因のひとつは聖母マリアへの崇敬でした。
イエス・キリストが十字架にかけられる前の晩、最後の食事をあらわしたレリーフ。
最後の晩餐での出来事がミサの起源となっています。
聖ベルナールは12世紀の神学者で、1174年に列聖されました。
大浦で活躍したプティジャン司教はフルネームをベルナール・タデー・プティジャンといい、同じフランス出身で自らの名前にもなっている聖ベルナール像に布教の成功を託して設置したのかもしれません。
告解室とは、信徒が自らの罪を司祭に告白し、神のゆるしを得るための場所です。
罪の告白を「告解」といいますが、この告解を行う「ゆるしの秘跡」は信仰生活のなかで重要な儀式のひとつになっています。
告解室の内部は告白を聞く司祭の席と、ゆるしを求める信徒の席に区切られており、ひざまづき台が設けられています。
